2009年9月7日月曜日

ドキュメンタリー映画。

この夏、CATVで見たかった2本の映画を見た。
「Into the Wild」と「いのちのたべかた」だ。

まず前者Into・・は正確にはドキュメンタリーではない。しかし、実際に存在し、アラスカの荒野で亡くなっているのを発見された一人の青年がたどった旅路がドキュメンタリーとして出版され、監督ショーン・ペンはそれを客観的かつ丁寧に映像化している。

一人のまじめな青年が大学を優秀な成績で卒業したとき、身の回りの全てを捨てて「北」を目指し旅を始めるというのがストーリーなのだが、社会という枠の中から外れることがどんなに過酷なことか、LAのど真ん中で、アラスカの荒野で彼は思い知ることになる。そんな彼が旅で出会う人たちは同じように枠から飛び出してしまったまま戻れない大人たち。そんな大人たちは彼へ、枠へと戻ることこそが現実であり、未来だと話す。
全ての痕跡を消し去って逃げることは簡単だ。極端な話、人間は自分自身を消し去ることも可能だ。しかし彼は生きたかったんだと、現実を生きていることを実感したかったのだ。
だけども、同時に、人間は誰しもがランボーにはなれないってこと。自然に取り込まれたとき、どれだけ弱い存在かって事。それを実感する。だから彼が社会の枠に戻ろうとしたときに、何が彼に起こったか?それはDVDを見てから。


もうひとつ、「いのちのたべかた」は衝撃的なドキュメンタリーだ。PG-12だからお子様は両親同伴で見てねという内容なんだけど、大人でさえ多分、具合の悪くなるシーンも出てくる。実際自分も「うっ・・」と思うシーンがいくつかあった。
映画はストーリー、というより、ほとんど解説もナレーションも音楽もなく、淡々と進んでいく。だが苦痛ではないのはもちろん衝撃的な映像であると同時に、美しいのである。決して美化することの出来ない現場ほど、美しいものは無いと思ってしまう。工場萌えなどという言葉があるけれど、現実からカメラというフィルターをとおして離れた瞬間に、それは美しく輝きだす。
これは、子供が高校生になったらぜひ家族で見てもらいたいと思う。そして映画を見終わったあと家族で話してもらいたいと思う。これはホラーでもスプラッターでもなく、これが世界中のマクドナルドでチーズバーガーが24時間いつでも注文できる為のしくみだってこと。これが善い事か悪い事かではなく、これが貴方の生命維持の仕組みだって事。「マトリックス」より、現実はもっとすごいのだ。

どちらもテーマとして、「生命」をとらえている。2本の映画に現実的な共通項があるわけではないが、いえることは「人が未来を迎えるための今この瞬間に生命を維持すること」がどれだけ大変で、努力が必要なのか、ことなんだろう。

あと、人に出来ることは、感謝くらいしかない。

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